パナソニックのドルツという音波振動系電動歯ブラシの付属品について、レビューしていきたいと思います。

充電スタンドや替えブラシスタンドはコンパクトにできています。

ドルツ1

 日本の家電メーカーですので、一般的な日本人家庭の事情に合わせて作られています。

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高さも、24センチと欧州メーカのとは低め。

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横幅は8センチ弱。

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奥行きが、5センチ弱。ちなみに、ACケーブルは、1メートルです。

ドルツACアダプタ

スタンドは分解できて、本体は拭けるようになっています。上の取り外せる部分は洗えるので、衛生的に保てます。

 

ドルツについてくるブラシについて

 

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↑ 標準型のものです。イオン機能のために、電極が覗いています。ダブルエッジブラシですね。一本500円弱です。2ヶ月持ちます。
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 極細毛ブラシ。毛の先が細くて軟かいブラシです。歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目)に、毛先をいれて汚れを取るというものです。 実際は、取れません。もし取れたら、歯周病治療の医療器具になりますので、認可等でいろいろと面倒なことになりますから(笑)。
 いわゆる「縁下歯垢、縁下歯石の除去 」は、建前上、歯科衛生士も取れないんですよ。実際は浸麻(局所麻酔注射)をさせてキュレット(搔爬)までやらせているのが現状なんですが(笑)。本当は、出血を伴う(観血的)歯周ポケット内の廓清は、歯科医師しかできないんです(笑)。

 

 

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 ↑ ツーウエイ(2Way、二通り)に使えるシリコンブラシ。

小林製薬のシリコン歯間ブラシと同じような材質です。固めとやわらかめのブラシで歯肉(歯ぐき)のマッサージをするものだそうです。ドルツには、小林製薬の歯間シリコンブラシのタイプもあります。

 歯肉(歯ぐき)は擦るモノでは無いので、これは必要ありません。全ては自己責任でやってください。

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↑ 歯間用のブラシですね。ポイント磨きブラシということです。これは、ドルツの歯間用替えブラシよりはマシです。

 

ドルツのブラシを他のブラシと比べてみましょう。

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 ソニッケアーと比べても、ドルツの方がコンパクトなのがわかります。

 私が愛用している手で動かす普通の歯ブラシは、GCのプロスペックシリーズです。

プロスペック歯ブラシ

その中でも、「コンパクトスリム」(写真では黄色)と「スタンダード」(写真では白)の2つを使っています。

コンパクトミニ スタンダード

とくに、「スタンダード」は学生時代から三十年近く使っています。すべては、この歯ブラシが基準になっています。

 

 患者には、コンパクトスリムを積極的に売っています。他の歯ブラシは一応試していますが未だに、これを超えるものがありません。

 患者への販売価格も、指定されている患者価格よりは大幅に安いAmazonと同じ20本入り税込み3400円。窓口で歯ブラシを販売して儲ける気はありませんから。
 「歯科医院での販売価格は割高だ」と警戒するお馬鹿な患者は、ウチで買わずにドラッグストアで安いのを買っているようです。相当、他の歯科医院でぼったくられて来たんでしょうね(笑)
 毎年、口腔衛生に関心の高い家族が3箱60本を買ってくれます。日本製の最高の品質ですが一ヶ月ほどの寿命なので、一人当たり年間12本。5人家族で60本です。他にも、義歯洗浄剤を孫が5箱ずつ買いに来るトコロもありましたが、亡くなられて、今は、歯ブラシだけ という…。

 コンパクトスリムと手鏡を使えば、手で磨いても電動歯ブラシと変わらない1分ほどで磨けるようになります(笑)。ただし、十代の永久歯には週四日のフロッシング(糸ようじ)は必須です。

 さて、話は戻って、

オーラルBとプロスペック

 オーラルBがダメな理由を、この写真一枚で全てが語っています。枝から毛先までの長さは、プロスペックスタンダード歯ブラシより長くてはいけないのです。初期のソニッケアーも、黎明期のインタープラークも同じで、長すぎました。

 これでは、日本人の解剖学的構造上、開口した状態で上顎臼歯部頬側(上顎の6番頬側遠心から7,8頬側が下顎骨筋突起と干渉して)まったく磨けません。 → この致命的な欠点を理解した上で、それを回避する磨き方を練習する必要があります。

 

ドルツとスタンダード

 ドルツやソニッケアーは、なんとかクリア出来ています。これなら、口の中で磨けない死角がほとんどなくなります。

ドルツとプロスペック1

幅もやや太いのが難点ですが、その幅が太い分を工夫することでカバーできるぎりぎりです。

プロスペックとドルツ

 ブラシの横幅は、スタンダードより短ければ合格です。コンパクトミニでは、この縦幅が小さくなって下顎前歯舌側(下の前歯の裏側)が横に歯ブラシを入れて磨けるようになっていますので、電動歯ブラシの振動軌道を考えると、短ければ短いほど有利になります。短すぎると、一度に磨ける歯がすくなくなるので、磨くのに時間がかかるようになります。理論上は。しかし、実践では、さほど差がないんです(笑)。

 ということで、ドルツの標準ブラシが、日本人の歯に適合していることがおわかりいただけると思います。

 ドルツの歯ブラシは、ソニッケアーより振動が小さいので、毛の堅さを失うと磨けなくなります。

 概ね、1ヶ月ちょいと短めで新しい歯ブラシを交換することをお勧めします。もちろん、欧州メーカのソニッケアーやオーラルBも、3ヶ月程度で交換を推奨していますが、実際には2ヶ月目で毛の堅さを失ってくるので、3ヶ月目で早めに交換というのが無難でしょう。