電動歯ブラシOral-Bの最上級グレードのもの(ブラウン オーラルB 電動歯ブラシ プラチナ・ブラック 7000 6モードタイプ 【舌クリーンモード搭載・歯垢を最大99.7%除去・歯磨きナビ付き】 D345456X)を買ったので、レビューします。前回は、取り扱い説明書だけで、ウンチクを語りすぎて長くなったので分けます。

Oral-BのACアダプタと充電ユニットについて…

 持ち運べるように、充電用アダプタのところだけをケースから着脱できるようになっています。
Oral-B充電ユニット1 オーラルBACアダプタ
 ACコードは90センチです。

電動歯ブラシを初めて買う人は、充電時のコンセントの位置や、こういう充電スタンドの置き場所をあらかじめ計画してください。

充電時の電流は1ワット未満という非常に少ない電流ですので、待機消費電力も容量不足でブレーカが落ちる心配もありません。ただ、ACコンセントを占有するだけの話になってきます。


 最近の新築やリフォームをした家では、洗面台は電動歯ブラシ向けにコンセントや、充電器を置いて収納する場所や棚が充実しているはずです。もし、我が家のように、電動歯ブラシを置くスペースが無い家庭(新築当時は電動歯ブラシはさほど重要視されていなかった)では、DIYで作った(電動歯ブラシの収納DIYについては別に記事をかきます)り、いっそのこと、充電は水気の無い他の場所でやって、歯磨きの時だけ流しに持っていくのも有りです。フル充電で朝晩の2分で一週間は電池が持ちますから。
Oral-B充電ユニット2

 充電ユニットは、AC-充電アダプタと合体し、目的別のブラシ先を収納することができます。 合体できると言うことは、充電アダプタ部分は洗えないけど、樹脂のみの部分は外して食洗機などで洗えます。水垢やカビが生えたら、キッチンハイターなどの次亜塩素酸系漂白剤の液に浸けて綺麗にできます。

 もちろん、ACアダプタやブラシ、オーラルB本体は水洗いして拭くだけのものですから、消毒液に浸けてはいけません。歯ブラシの先部分も金属部品がありますから、次亜塩素酸系の消毒液(キッチンハイター)につけると錆びて動かなくなります。ブラシの消毒や滅菌は、管理の難しいEOガス滅菌か、ホルムアルデヒトのガスが発生するグルタラール製剤に浸けるとかしかありません。患者毎、家族では個人個人で歯ブラシは分けるしかありません。

 Oral-Bは電動歯ブラシなので、当然、防水機構になっています。だから、簡単な水洗い程度では水没故障はしません。
オーラルBジョイント部
 たまに、ブラシのジョイント部からの水の侵入が起きて故障しますが、その対策については、また記事にします。
Oral-B 誘導コイル部
  Oral-Bの中にある充電池へ充電するための電流は、誘導コイル式を使って本体へ非接触のまま伝えます。これは旧型のplak cotrol 3D action等のスタンドと同じなので、そのまま差して使えます。
Oral-B旧スタンド
この収納ケースは、壁か、棚に置くときは下に固定する治具か、粘着材でひっつけるかしないので評判が悪かったんですよね。
 改良されたようにみえた、このオーラルB ブラック7000の充電ユニットは、設置面積が旧来のものにくらべて大きいんです。

oral-b充電ユニット3
横が13センチ、
Oral-B充電ユニット4
奥行きが11センチ、
Oral-B充電ユニット5
高さが28センチほどの空間が必要です。だから、家族みんなが、最新のOral-B電動歯ブラシにすると、置き場所に困ることになります。

  これでは、いつまで経っても決着地点に、たどり着けそうにありません。DIYでやるしかないでしょう。

オーラルB付属のスマートガイドについて…

 このスマートガイドは、無線で歯ブラシと連動し、歯磨きの状態をLCD(液晶表示)してくれる機械です。ブラック7000が動いていない時は、時計として機能してます。
スマートガイド 

 スマートガイド本体を、洗面台の鏡や壁に取り付けるための、透明なホルダー、固定するための治具と両面テープがついてきます。ガラスや壁の表面を綺麗にしたあと、乾かして両面テープで固定します。それから、ホルダを取り付ければOKです。

 しかし、私は歯を磨くときに洗面台の鏡を見ながら歯を磨くことは推奨していません。なぜ、洗面台の鏡を見ながらの歯磨きがダメのか?については、後述します。

 だから、洗面台の鏡や壁にこのスマートガイドを貼り付けるのはいかがなモノか?と思っています。かといって、手鏡に貼り付けると、結構重いし、唾液のしぶきで汚くなるのに洗えない等、解決できない問題があります。
スマートガイド2 

 スマートガイドの電池は、単四電池2本です。本体にテスト用の電池が既に入っていて、デモンストレーションモードが表示されています。時計を設定することで、デモンストレーションモードは終了します。だから、新しい単四電池がさらにもう2本付いているわけです。

 時計を合わせるための、スイッチは裏蓋を外して左右にあります。「set」ボタンの長押しで、12時間か24時間表示にするかを選択して、時間→分 というサイクルでカーソルが動きます。「h/min」ボタンで選択したカーソル部分の選択になります。こういう操作は、80才以上の老人や子供にはできません。成人でも、ある程度の知能を持った人しかできません。そもそも、電動歯ブラシのピンキリのうち、1万5千円の高級機を買える人は知的レベルも高く収入も多いと思いますので、特に設定で困ることはないでしょう。

 もし、このブラック7000のようなスマートガイドの付いた高級機種を、高齢の親などにプレゼントするのであれば、一通り使えるように設定をして、教えてあげなければなりません。

 取り扱い説明書によると、このスマートガイドは、2本まで登録して、2本同時には使えませんが、それぞれで使えるようです。登録設定は取説を読んでください。


オーラルBのスマートガイドで選べる6種の歯磨きモードについて


ブラシの動きに合わせて、表示部分の上に小さなアイコンが表示されます。
モード切替スイッチ
歯磨きモードの選択は、電源ボタンの下にある磨きモード切り替えスイッチ「V」なアイコンのボタンを押すことで選択できるようになっています。

普通モード
 通常の「クリーン」モードという2分間で終了のコース。ほとんどの人は、これだけで十分でしょう。右の口の中を模している4ブロックの場所が、30秒ごとにピーっという音と共に笑顔のマークがでて、次の場所に移って磨けと教えてくれます。合計2分間で全部表示され一巡するようになっています。

しっかりモード
 歯のマークに「+」が付いたのが、「しっかりクリーン」モードという3分間のタイマー設定になっています。右の口の中を模した4ブロックの表示で、45秒ごとに笑顔マークがでて、次のブロックに移って磨けとのサインがでます。3分で全部表示され一巡するようになっています。

やわらかモード

羽根のアイコンは「やわらかクリーン」モード。「(通常)クリーン」や「しっかりクリーン」より、音も振動も小さくなって、優しく動きます。
 歯肉(歯ぐき)が先天的に弱い構造になっている患者(歯科医が判定するべきこと)には、このモード以外は使うなと指導します。初めて電動歯ブラシを使う患者には、まず「やわらか」モードで練習し、オーラルBの扱いに慣れ、歯肉(歯ぐき)の炎症も治まり、諸々が安定してきたら、通常の「クリーン」モードで磨くように指導します。
 
ホワイトニングモード
ダイヤのアイコンは「ホワイトニング」モードです。動きがウイーンウイーンと変化します。ラバーカップのついたホワイトニングブラシ(EB18)を付けてやると、良いみたいです。茶渋やヤニ(ステイン)を取るのに適したモードのようです。研磨剤の入った歯磨き粉を併用すると、効果は高くなります。
 ただ、歯と歯ぐきの境目(歯頚部)や歯根(歯の根っこ)が露出している場合、こういうモードを日常的に使うと、楔状欠損(くさびじょうけっそん)という削れた部分ができてしまうので、やらないでください。とくに歯ぎしりをする人はダメ(禁忌)です。
 また、食事やおやつの後30分を経過しない時も、ダメです。再石灰化による歯の表面の再修復ができていない時に、歯磨き粉をつけた電動歯ブラシを使うのは、避けた方が良いのです。
 

歯ぐきケア
 波線なのが「歯ぐきケア」モード。これは、バス法と同じ効果を得られるものだと思いますが、そもそも歯ぐきはブラシで擦るものではありません。耐えられる歯ぐきを生まれつき持っている人には有効ですが、耐えられない歯ぐきを生まれつき持っている人は、歯周組織を破壊します。
 その見極めは、ちゃんとした大学歯学部を出て、日頃から勉強している経験豊富な歯科医に診てもらってください。
 

舌クリーニング
 舌のアイコンは「舌クリーニング」モードです。くすぐったいです。いや、くすぐったいくらいの方が安全です。個人差はありますが、オエェっとなる(嘔吐反射がでる)人もいるでしょう。
 健康な人であれば、舌に汚れ(舌苔)は付きません。舌をこすって汚れを落とすことが必要と思われるのは、一部の「患者」だけです。つまり、病気の人だけということです。
 舌をこすって汚れを取るというのは、オススメできません。操作を間違えると味覚障害を起こします。一度、ひどく舌を傷めると、もう二度と味覚が戻ってこないこともあります。

 たばこを吸う人の中には口臭を気にして舌をブラシで擦る人が時々います。たばこを吸うことで、味覚嗅覚がダメになっているのに、舌を擦って追い打ちをかけています。安定した味覚、嗅覚を必要とする調理人、料理人のプロには喫煙者はいません。もし、味見が必要な立場にいる調理人が、タバコを吸い、口臭を抑えるために舌をこすっているとしたら?、それは愚の骨頂であり、プロとして失格です。

 口臭を気にする患者や味覚異常を訴える患者の多くが、既に精神的に逝っていることも多く、鑑別も治療も非常に難しいので、症状によっては大学の附属病院へ紹介することになります。
 人間は動物ですから、動物の臭いはします。元々臭いがあるのに、その臭いを完全に消す方法なんてありません。「できないのにできる」と嘘を言って騙して金を巻き上げる「詐欺商法」は、どんな業界にもあります。もちろん、歯科にも、たくさんあります。→ 折々書いていきます。


歯ブラシの押しつけ防止センサーはケガ防止するための安全設計


 この押しつけ防止センサーが働くには、ブラシを相当な力で押さえないと動作しません。
押しつけ防止作動
 ここまで力をいれて歯ブラシを歯や歯ぐきに当てたら痛いですよ。とくに、歯ぐきの軟かい部分(齦頬移行部)に当たると、潰瘍(アフタ)になるくらいの力が必要です。
 

 よほど不器用な人や手の力をコントロール出来ない障害を持つ人には、有効な機能だと思います。
 

私のブログの長い記事をきちんと読める知的レベルの人なら、こういう安全保護機能の無い廉価版のオーラルBでも上手に使いこなせるでしょう。だから、高いのを買う必要はありません。